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それは嘘なんだよ。
私は、彼の筆箱からシャープペンシルを
くすねたんだ。
そうしないと、グループが私を
イジメの標的にするからって……。
私は仕方なく行動に移したんだ。
可哀想になって、彼に返したけれど、
一旦は傷つけたことには変わらない……。
シャープペンシルで<嘘>の文字を
書いてみた。
その文字は消しゴムで容易く
消すことができるけれど、
実際に起こした出来事を
なかったことにするのはできないんだ。
・・・
独りで結婚式場に向かった。
ウエディングドレスの写真を撮ってもらった。
けれど、もうすでに涙が溢れていたんだ。
「あのう、お客様大丈夫ですか?」
カメラを構えた店員は怪訝そうに
私の方を見つめてくる。
大丈夫ですよ、私は首を縦に振って返答に変えた。
私は一人で過ごそう。
自分は誰も愛することはできない、
そんなことを思っていた。
君の前から立ち去る準備はできていた。
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