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「ははっ、ブリジットは本当にお花が好きだね。」
「あっ、お父様!」
私の側に来て娘に声を掛けたのは夫のクライス。男爵家でありながら、侯爵家の、しかも跡取りの長男に娘を嫁がせることが出来て、一番喜んだのは夫だ。
「お父様も見て下さい!あのお花!お母様の様にとても美しいですよ!」
「おおっ?エリザに似ているのかい?どれどれ…」
「あれはハナズオウという花ですよ、ブリジットお嬢様。」
夫のすぐそばに控えていたのは女中のフーリル。2年ほど前にヘインズ家に仕え始めて、その仕事ぶりは出来るの一言。
特に夫に気に入られ、今は側仕えをしている。
暫く夫と娘の3人で歓談していると、執事長のセバスチャンが後ろから声を掛けて来た。
「皆様、祝宴の準備が整ったようです。広間にお集まりください。」
「ああ、わかった。行こうか2人共。」
「はい貴方。」
「はいお父様!」
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