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あなたの涙に相応しい花が咲きます。
怪しげな謳い文句でチェーンの雑貨店で売られていたのは、掌サイズの植木鉢だった。小さな葉に囲まれ、固く閉じた蕾が一つ。
嘘だろうけどインテリアに良いかと思い、一鉢買った。
けれど、造花ではない手触りなのに一向に開花しない。
そんなある日、くしゃみや涙が止まらなくなり、目も痒くなった。マスクに頼る日々の始まりだ。
「あれ、咲いてる」
出がけに、見たことのない鮮やかな黄の花弁に気付いた。
どんな香りがするのだろう。
マスクを外して鼻を近付けた。すると花がくしゃみをするように揺れ、黄色い粉がぱっと舞う。
それから、くしゃみや鼻水、目の痒みがひどくなったのは言うまでもない。最悪。
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