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──そして翌年、晴れて挙式をすることになった。
「藍音ー!ブーケこっち!」
「茉莉花…そんなの投げないと分かんないよ」
「つべこべ言わず投げる!ほら!」
茉莉花に急かされ、私はブーケを投げる準備をする。
「それじゃ、行くよー!」
私の投げたブーケが、青空へと向かって高く上がる。
女子の悲鳴が響き渡った後、
「よっしゃあぁあ!ゲェッットオォオ!!」
それは茉莉花の手に渡ったようで、拍手を送る。
「…ったく、偉くテンションMAXだな、お前は」
桜坂さんが茉莉花の頭をコツンと小突く。
「だって、これ取ったら次、幸せになれるんでしょ?」
「まぁそういうジンクスもあるな。けどお前、相手選ぶのは自分のペースとか言ってなかったか?」
「ふん!ゆーたにはカンケーないでしょ!てゆうか、ゆーたにはそんな縁なんて多分ないでしょーね♪」
「おま…っ、勝手に言ってろ!まぁ、んなこと言って、お前なんかより早く結婚したりするかもな?」
「ムキー!ゆーたのくせに腹立つッッッ!!!!!」
逃げる桜坂さんの後を茉莉花が追いかけて行く。
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