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扉はしばらくの間ガタガタと揺れていたが、
「やっと諦めたか」
死神はその場から姿を消したようだった。
扉を押さえつけるように座り込んでいた雷は、「よっこらしょっ、と」普段は使わない掛け声を掛けて起き上がり、手探りで部屋の灯りのスイッチを探り当て軽く押した。
数度の点滅を繰り返した電球は、すぐに部屋中に光をもたらした。
「こんなの初めて見るな」
【弾薬庫】と書かれていた扉を思い出しながら、整然と並んでいる棚から拳銃に使うであろう弾を手に取って眺め、
「一体どれだけの数あるんだよ」
数もさることながら、種類の豊富さに驚き、キョロキョロと見回しながら砲弾の置いてある一番奥まで進むと、
「誰だお前! 」
気配を消して座り込んでいた男を見つけて身構えた。
「お前こそなんだ?
ここには入って来れないはずだぞ」
顔を上げて睨みつけてくる男の眼光は、雷が今まで見た誰よりも鋭かった。
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