第4話 宿敵魔王に身代わりにされてます!?

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 その後、利都から連絡があり紫音が体調を崩して寝込んでいるから、いくつか差し入れをしてやってほしいと伝えられた。  詩音はすぐに行ってあげるべきだと告げ、研究室を出ていった。くれぐれも手を出さないようにとの忠告付きだ。  凰理自身、そこまで節操なしではないと眉をひそめる。  ちなみに利都からも紫音の部屋のスペアキーを受け取りながら同じごとを言われた。皆、自分をどう思っているのか。  しかし蓋を開けるとこの有様なので凰理としては、もうなにも言えない。紫音はなんとか眠れたようで規則正しい寝息を立てている。  凰理は紫音の額にそっと手を置いたが、また熱い。  まったく。あれほど自分に連絡しろと言ったのに、結局紫音が頼ったのは利都だった。それが凰理の心をザワつかせる。  おそらくそれも自分でなんとかしようとして、どうにもならないうえでの決断だったに違いない。  人に頼るのが苦手な紫音のことだ。すべて自分が我慢して、背負い込めばいいと思っているのは昔から変わらない。 「今なら存分に甘やかしてやれる」  凰理の呟きは誰にも届かず宙に消えた。  紫音本人はそんなことを望んではいないのではないか。結局、詩音に対しても中途半端な真似をして傷つけてしまった。  凰理は前髪をくしゃりと掻き、大きくため息をつく。
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