第4話 宿敵魔王に身代わりにされてます!?

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「……ありがとう。できれば冷蔵庫に入れてもらっていてもいい?」  相手が魔王とはいえ、変に突っかかるのはやめる。突っかかる気力がないのが本当のところだ。  それを凰理も理解しているのか、余計なことは言わず紫音の指示に従う。 「病院に行くか?」  紫音は力なく首を横に振った。 「平、気。寝てれば治る」  あとひたすら横になってなんとかするだけだ。 「無理してもいいことはないぞ」 「してない」  すげなく返す紫音に凰理は軽くため息をついた。 「利都も心配していた。詩音も」  凰理の最後の言葉に紫音は目を見張って硬直した。なぜ詩音まで体調を崩したことを知っているのか。  おそらく利都から連絡を受けたとき、凰理と詩音は一緒にいたのだろう。だから、なんだというのか。 『でも、凰理に久しぶりに会ってわかったの。あのときは、やっぱりああするのがベストだったんだって』  立場や環境が変化してすれ違ったのなら、改めて同じ社会人同士になった今のふたりはどうなのだろう。  少なくとも詩音は完全に凰理を吹っ切った様子ではなかった。凰理だって……。  関係ない。私には……関係ないんだ。  紫音は奥歯をきゅっと噛みしめる。 「じゃぁ、大丈夫だって戻って伝えておいて、利都や詩音さんにも」  凰理の顔を見ないまま告げると、気配で彼が肩をすくめたのが伝わってくる。 「お前な、まだ熱があるくせに」 「触らないで!」  たしかめるように手を伸ばされ、紫音は反射的に凰理の手を払いのけた。凰理は目を丸くし、紫音も感情的な自分の行動に驚く。
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