Fin2,夫との約束

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「そういうユキも素晴らしかったぞ。岩国のエースを仕留めていたもんな。双子で初の僚機ペア。息も合っている」 「別に双子だからって、なんでも一緒にしてくれなくていいんすけどね。ついに既婚と独身に別れたわけですし」 「ナオに相手が見つかったんだから、ユキにだって見つかるさ」 「そうっすかね~。やっぱ、あれですか。歳上がいいっていうの、もう無理な年齢っすかね。俺より歳上って、既婚女性ばっかになってきたっすもんね」 「だからなんで歳上にこだわるんだ。歳上女性に憧れているころから見たら、その年代はもうユキと同世代ということにならないのか」 「う~ん、確かに。周辺の同世代女性、落ち着きが備わってきたっすもんね~」  モヒートで乾杯をしたエミリオと雅幸がそんな会話を始めていた。  いつも一緒にいたはずの『ユキナオ』君たち。  三十路を越えて、初めて生きる道を分かつ。  弟の雅直が先に結婚をしたのだ。  瑠璃協力の美瑛富良野豪華食材の合コン開催数回目で、小柄でほんわりとした癒やし系女子隊員とマッチング。その後、出会いからすぐに別れるのがお決まりの双子だったが、やっとおつきあいが続き、癒やし系女子とゴールイン。また賑やかな結婚式になり、エミリオと藍子の夫妻も招待されて、とても楽しかった。  既婚と独身と別れた双子だが、いまでも双子は双子。職場ではいつも一緒にいる。  何故なら、勤務している部署がいまもおなじ。しかも、この部署に転属してから初めて、二人は双子として僚機となり、エレメントを組むことになった。  双子がいま勤めている部署は『アグレッサー飛行部隊 サラマンダー』。  雷神という現場フライトから、彼らもついに実力を認められ、夫と共にアグレッサー飛行部隊に異動になったのだ。  つまり夫のエミリオと、いまもおなじフライトチームで職務に励んでいる。
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