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その間の仕事は見つけた不明機の分析と解析、そして牽制。しかしジェイブルーは追跡機のため戦闘機能はもっていない中等連絡機みたいなもの、スクランブル部隊が届くまで付かず離れずの追跡をするしかない。
「目視で確認」
五島列島上空、晴れ渡るなかにも、うすい茜が差し始めている雲のむこうに優美な『赤朱雀』が尾翼に描かれている機体を発見。
「機体番号はまだ見えず」
「藍子、もっと近づけ」
「ラジャー」
機体番号を確認し、どの国のどの部隊の『どのようなパイロット』が来ているかを確認し報告するのが機追隊の仕事。向こうも四機編隊で徐々に接近してくるが、藍子も怖じ気づかずに領空の端、ギリギリまで機体を寄せる。
尾翼にもはっきりと朱雀のイラスト、パイロットの姿も見えた。向こうの男もこちらを見ているし、藍子も見ている。シールド越しでも目が合っているのがわかる。
「よし、機体番号を確認。撮影する」
データマンの祐也がその担当。機影を撮影して、いつどこでどの番号の機体が接近してきたかを映像で記録、同時に中央官制センターへ送信する。
「えーっと、機体番号は……」
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