第1話 きっかけ

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第1話 きっかけ

《 今日、いつもの場所で待ってる 》 そんなLINEを貰ったのは、夕方も夕方だった。 いつもの場所。 大通りのホテルの脇。 意外にバレない待ち合わせ場所だ。 「若松さん、確認お願いします。」 「はい。」 彼には《 OK 》と返事した。 今のところ、私に断る気持ちはない。 彼からお願いされたら、どんな時でも行ってしまう。 完全な片想い。 そんな気持ちを、私は抱えていた。 雑誌の編集という仕事柄、残業は結構ある。 でもここの編集長の大津さんは、理解があって、仕事残っていても、用事があれば帰っていいよという人だった。 こんな有難い環境で、私は5年もお世話になっている。
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