138人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 きっかけ
《 今日、いつもの場所で待ってる 》
そんなLINEを貰ったのは、夕方も夕方だった。
いつもの場所。
大通りのホテルの脇。
意外にバレない待ち合わせ場所だ。
「若松さん、確認お願いします。」
「はい。」
彼には《 OK 》と返事した。
今のところ、私に断る気持ちはない。
彼からお願いされたら、どんな時でも行ってしまう。
完全な片想い。
そんな気持ちを、私は抱えていた。
雑誌の編集という仕事柄、残業は結構ある。
でもここの編集長の大津さんは、理解があって、仕事残っていても、用事があれば帰っていいよという人だった。
こんな有難い環境で、私は5年もお世話になっている。
最初のコメントを投稿しよう!