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甘えるのは苦手だ。
昔からそうだった。
倭に対しても、甘えるのがイマイチ分かんない。
だけど倭は、甘えるということを教えるように、私に接する言動はヤバいくらい甘くて。
「…っ………!」
「…ダメ。逃げないで。」
「…ぅ……ンン、」
口元から、クチュッと水音が鳴った。
恥ずかしくて。
でも、離してくれなくて。
いや、離してくれないどころか、更に深くなっていって。
密着した唇
小さくあいた隙間から漏れる音
絡めて、絡めて、まるで一つになった感覚で
抱き締める強い腕
髪に絡まる長い指
そのすべてが私を甘やかしていて
「……ハ……」
「…可愛いな。周音。その顔は誘ってる?」
「さ!?…バッ……誘ってない!」
「残念だな。」
ハハハッと笑った倭は、とても残念そうには見えない。
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