仮面

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「いらっしゃいませ」  全く歓迎している印象を受けない、定型文を音にしただけの挨拶に出迎えられ、僕は会員証を提示した。 「ワードやエクセルはお使いになりますか」 「使わないです」 「かしこまりました。では、三十番のお部屋をご利用ください」  コンビニから歩いた時間よりも短い最低限のやりとりを済ませ、カードキーを受け取った僕は三十番へ向かった。
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