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1、レモングラスのハーブティ
「あのー……もう大丈夫ですから。今日、寝不足で、暑かったせいで、貧血を起こしただけですから」
すでに十回以上、念仏のように唱えた台詞を機械的に告げる。
とりあえず、祖母宅の居間に運ばれた一花は、座布団を枕に、横になっていたものの……。
いっこうに帰る気配のない二人に痺れを切らして、身体を起こしていた。相変わらず、すぐれない体調だが、だからといって、緊急性の高い症状があるわけでもない。
中学生くらいから、ずっと続いている体調不良だ。
自律神経失調症や鬱だとか病名がついて、通院していた頃もあったが、改善することは、なかった。
もっとも、しばらく休むと、少しは動けるようになることは学習しているので、病院にかかるまででもない。
(このくらいなら、まだ平気よ。今までだって、騙しだましやってきたんだから)
そういうことで、相変わらず愛想の欠片もない青年プラス、彼が連れて来たもう一人の壮年の男に対して、一花はやんわりと「帰れ」オーラを出している。
(まったくね、見た目だけは、目の保養なんだけどさ……)
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