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足掻いて、頑張っても、一花のやることなすことは、すべて上手くいかない。
就職しても、週五日の仕事ですら、すぐに体が悲鳴を上げてしまい、職を転々とする日々だった。
栄養ドリンクと、あらゆる体力増強の薬、運動、スポーツを試しながら、派遣社員で生計を立て、それでも、資格だけは取っておこうと、勉強もしてみたが、取得したところで、それを生業にするほどの根気なんてなかった。
年齢が三十を越えて、何もない自分に失望し、せめて、誰かと付き合わなければと、焦っていたところに、職場の後輩男性がデートに誘ってくれた。
よく分からない関係のまま、三回デートに行き、ようやく彼を問い質してみたものの。
――結局。
「ごめん、一花さん。俺、好きな人がいてさ。一花さんは、魅力的だから、きっとすぐに次の人が見つかるよ。がんばってね。応援しているから」
彼は、あっさり一花を切った。
その手の「応援」というフレーズは、社交辞令であっても、地雷だろう。
見下されている感たっぷりに、適当な理由でフラれたにも関わらず、しかし、最後のディナー代金を支払ったのは、一花という理不尽さだった。
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