3、白い別荘

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 執事がいる時点で、相当な家だと察していたが、まさか、ここまで豪奢な家が祖母の家の上に建っていたなんて……。 (やっぱり、あいつ芸能人かなんかなのよ……)  テレビは観ているが、最近の流行には鈍感な一花だ。  自分の知らないところで、ブレイクしている人気者なのかもしれない。 (おはぎ……食べるかなあ?)  一花は、とてつもない不安に襲われていた。  こんな桁違いの場所で暮らしている青年が、美代の作ったおはぎを美味しいと言って、食べるのだろうか?  第一、一花の身長の優に二倍はある門扉を開けてくれるのだろうか? (どうしよ……。私、こんな格好だし、不審者扱いされて通報されそうだわ)  昨日のブラウスだけは真っ青なチュニックに変えたものの、パンツは昨日と一緒のものだ。  上下合わせても、量販店で三千円にもならない女に、金持ちの道楽息子が偶然でもない限り、気前よく会ってくれるとは思えない。 (でも、あの人、昨日のおばあちゃんのハーブティは飲んでいたわけだし、おばあちゃんには好印象だったってことでしょ。その、おばあちゃんが作った「おはぎ」なら、食べてくれるんじゃない?)  緊張する。
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