短編小説特集

ウィルス2

日本にウィルスが広がり、緊急事態宣言が出された。

俺は飲食店の正社員で働いていたがオーナーの判断もあり店はしばらく閉めると言う事になった。

なので、久しぶりに実家に帰ろと少し多めにお金を下ろし実家に向かう。

定年退職している母と父は相変わらず元気そうで何よりだ。
外食は出来ないので３人でスーパーに行き寿司やオードブルなどを買い込み家に帰ろうとした。

そして俺は家の近くになるとなんとなく違う種類の炭酸を飲みたくなり自販に寄って帰るからと俺だけ自販機の前で降りた。

小銭を入れ炭酸飲料とコーヒーを2本買った時スマホが鳴る。

久しぶりに同級生からの電話だ。

「どうしてる？」「俺もしばらく休みなんだ」「今度リモート飲み会でもしよう」

と言う内容だった。

久しぶりなので少し話が盛り上がりその場で電話で話し家に帰る。

すると家のテーブルには寿司やチキンなどが並べられすぐ酒を飲んでしまった。
久しぶりに両親と楽しく飲むすぐにいい気分になり酔っ払ってしまい俺は眠っていたようだ。

それから目覚めて起きてトイレに行く。

用を足してる時、ふとお尻の財布がない事に気付いた。
「飲んだ時どっかに置いただろう」
と思い込んだが

「あ！　あの時か？」

俺は急いで家を飛び出し自販機に行くと俺の財布がありホッとした。
だが財布を開けると中身が…

無くなっていた。小銭は残っている。

こんな時に…いや、こんな時だからか…

もしウィルスが流行っていなかったら現金は残っていただろうか

誰かが警察に届けてくれていただろうか…

俺は自粛期間の生活費をなくした…。