最後の夜

あとがき

　読者の皆様、お久しぶりです。姉川ゆきねです。

　この度はこの作品を読んでいただき、ありがとうございます。

　今回のテーマは「隠しごと」ということで、登場人物たちには浮気をさせてみました。

　浮気とは一般的に悪いものです。してはいけないものです。私も恋人に浮気をされたら腹が立つと思います。酷い場合には殴りかかるかもしれません。
　しかし、その一方で浮気をした側の人にもそれなりの理由があるとも思うのです。そして、その根源はきっと私たちの理解できるものであるはずなのです。

　今作はそんな発想から誕生しました。

　これは浮気に限りません。いつも時間に遅れる人、無責任な人、物事の優先順位が間違っている人……このような一見、理解しがたい人と出会うことは多々あります。
　しかし、そのような人も私たちと同じ世界に住んでいます。だから、その人の内側を深くまで掘っていけば、やがて「仕方ない」「そうなるよね」と思えるような理由にたどり着くはずなのです。

　しかし、浮気は浮気。ミスはミス。認めて許せ、と言っているわけではありません。

　ただ、何も知らないなら寛容に。