まだきみがいた

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  その瞬間。  悲しみ、安堵、喜び、懐古。ないまぜになった様々な感情が噴き出す。  その奔流にわたしの心の堰は完全に崩れ落ちた。  抑えようとどんなに努めても、足は激しく震え、涙は滂沱と溢れ出る。 「おいおいどうしたどうした!軽く注意しただけだろう。なにもそんなに泣くことないじゃないか!」  部長の小言はまだ続いていたらしい。  すいません。  言おうとしたけれど、嗚咽で言葉にできない。  そうだった。  ミケマルは机の脚に頭をもたせかけて寝るのが好きだった。  それだから、机にぶつかってしまったときにはいつも言っていたんだ。    「ごめん」って。  
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