まだきみがいた

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  電車を降りたわたしは、混雑するエスカレーターを横目に階段を上がる。  改札を抜け、15分ほどの道程を行くと会社が見えてきた。  近づくにつれてどんどん陰鬱な気分になっていく。  正面玄関を抜け、わたしの所属する部署のある3階へ向かう。  たどり着いた入り口の前で一度立ち止まる。  そして、努力して拵えた笑みを顔に張り付け、ドアに手を掛けた。
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