約束のクリスマス

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 暮れるのが早い冬の夕方。隆司の部屋で、私が泣いた理由は、パンフレットが見えたから。  散らかったワンルームの部屋。その真ん中に、無造作に置かれたノートパソコン。その下敷きになっている不動産屋からもらったパンフレット。  「用事できたから遅れる」  そのLineを読んだ私は、ふぅとため息を吐いた。  真っ白なため息は、冬の冷たい空気に紛れて消えた。  今日はクリスマスイブ。午後から一緒に出掛ける約束。隆司が、準備が出来たら待ち合わせ時間と場所を連絡してくれることになっていた。  イブの午後をどうするのか内緒にしている隆司に、久々に私は期待していた。  休みだと言うのに、朝6時には目が覚めた。  9時過ぎにはメイクも着替えも終えてずっと隆司の連絡を待っていた。  14時、Lineしても既読にすらならない。  16時、しびれを切らし、隆司の住むアパートへ向かった。  隆司の家のアパートの前に着いたとき、やっと届いた返信がこれだった。  
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