必要な存在

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 病院の入口で花束をもらい、看護師さんたちに見送ってもらったあと、ロイは北見が待つ尾池橋公園に向かった。  街灯の下のベンチに座り、北見はロイを待っていてくれた。 「ロイ」 「学!」 「気分は? 大丈夫かい?」 「うん。すっごく具合いいよ。ちっともしんどくない」  色白の頬をピンク色に染め、ロイが微笑むと、北見は優しくその柔らかな頬に触れた。 「よかった……じゃ、行こうか」 「うん!」  これ以上はないくらい幸せそうな表情を浮かべ、ロイは元気いっぱいにうなずいた。         *
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