girl~名もなき少女の物語~

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ジイチャンはお金をくれなかった。 食料や服、本など物は持って来てくれたけど、私が稼いだ分は大きくなったらまとめて払うと言って全部ジイチャンが持っている。 だから私は仕事で外に出た時、落ちている小銭を拾ったりした。 お札は、路地裏でジイチャンに倒せと言われた敵を待ってる間、必ずといっていいほど知らない男が近づいて来て勝手にお札を出してくる。 私がお札を受け取ると気持ち悪い笑みを浮かべて身体を触ろうとしてくるので、私は思いきり股間を蹴飛ばし顎に頭突きをしてやった。 するとどの男も必ずキレて、 『このクソガキ、ぶっ殺してやる!』 と股間を押さえながら殴りかかって来るので、今度はナイフを取り出して突きつけてやると、どの男も怯んで逃げて行くのだった。 「ゴホッゴホッ…」 外に出た私は開いている店を探したが、どの店も開いていない。 みんなどこに行ったんだろう? 世界から人が消えてしまったみたいだ。 ジイチャンの家も知らないし、これからどうしたら… 「ニャーオ」 野良猫がゴミを漁ってる… 「お金あげるから、そのゴミちょうだ…」
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