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こんなことって、こんな事がほんとうにあるなんて!
砂央里はその場で固まってしまった。
おそらく子供向け作品を見終えて出てきたであろう
斉藤と紀子を目の前にして、砂央里は驚きを隠せなかった。
まさに鉢合わせの格好になったのだ。
焦った斉藤の開口一番の言葉は、大人の挨拶等はぶっ
飛ばし「君、これから観るの?」だった。
「あっ、ええ、まあ」
「子供は?まだ乳飲み子なのに誰かお家の人に預けて来
たの?」斉藤はそう云いながら砂央里の側にいる西野を
チラ見している。
「ご主人にみてもらってるんだ?」
そんな風に問いかけながら、いきなり切り出した内容に
一番驚いていたのは実は斉藤本人だったかもしれない。
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