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何度か会って食事して付き合いませんかって正式に交
際も申し込んでくれたのだけれど。好きな人がいてま
だ忘れられないンだぁ~と、軽い調子でだが本気で
さらっとお断りを続けてきていた。それでもめげずに
一途に西野くんは私に向かってきてくれる。
想い人の斉藤さんはどんなに想っていても、も
う自分がどんなに手を延ばしても、届かない所へ行って
しまうのだ。相手(西野)は大学を出たばかりのヤングマ
ンで結婚とかナンとか、重く考えずに付き合える相手な
のだから、デートして楽しめばいい、岡田とま子に会っ
た後では、そう思うようになっていた。
先日西野から勧められていた映画はまだ上映していた
だろうかと、そんな事が頭に過ぎる砂央里だった。だか
ら今回電話をくれた西野から映画を誘われた時、そんな
に良い作品なら観てみようかなっ♪、と返事を返してい
た。
映画を観た後で食事(dinner)して・・という流れにな
りそなデート。砂央里と西野は映画館のある最寄り駅で
待ち合わせた。
砂央里が着くと西野はすでに待っていた。映画の内容
のことや終わってから食べる店をどこにするだとか話して
いる内に映画館に着いた。
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