『恋に落ちて-Fall in love-』  -8-

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 1.  SheとHeがジムで再会した頃: He:   斉藤准一 税理士事務所勤務35才 斎藤紀子    娘 7才  毒妻:  斉藤淳子  専業主婦   33才 金遣いが荒い She: 高橋砂央里  会社員    27才 B男:  山本隆行  オートバックス社員 25才 K男:  西野秀行   薬剤師   22才 N夫人: 岡田とま子  主婦    54才 M美 :  深田睦子  見合い相手  22才 。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:・'゜☆。 1.  Heこと斉藤准一は遡る事2年3ヶ月程前に、好いていた女性 Sheこと高橋砂央里と不本意な別れ方をしていた。  会社を設立したばかりの若手社長との面談があり、休日返上で  出掛けた日、仕事は午前中までだったので、ついでに食事を  済ませてしまおうと訪問先近くのカフェに入った。   たまたま斎藤が入ったカフェは、入り口に続く壁の側面が 上部3分の2ほどがガラス張りになっていて、ドアに致っては 白い木枠で囲ってあるものの、一面ガラス張りの造りになって いた。  斎藤は入ってドアから左手にあるテーブル席の椅子に 腰かけ外に向かって座る格好になった。  ひとりの時、大抵こういう感じの店に入ると外が見える 席に着くことが多い。  なんとなく、気晴らしというモノができるからだ。  今回そういった習性を喜んでいいのか、そうも 言えないのか? 微妙なラインの出来事が斎藤の身の上に 起きた。  もうメニューも届いて食していた時のこと。  何度か目に前方に顔を向けた時、見知った顔の男が 向こうから友人と何やら話しながら歩いて来るのが見えた。  忘れもしないその男、山本を見て苦い思い出が蘇えった。  斎藤は食べる動作と共に俯いた。  入り口から遠く右方に離れた席に行けっ、と念じながら。  しかし、その願いは届かなかった。  山本は斉藤に気がつかないまま、後ろのテーブル席に 背を向けた形で座った。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ お知らせ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ご訪問頂きありがとうございます。 新作『 LOVE YOU!』 2022.11.1(火)から連載はじめますので どうぞ宜しくお願いします☆彡 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  104,942文字 毎日500字前後更新 195ページ 午前6:00 前後に公開予定となります。 2022.10.22 設樂理沙☆彡
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