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三年生になり、級友たちが受験勉強に打ち込む時期になった。この頃には恵美の髪は背中の肩甲骨の辺りまで伸びていた。郁雄も美大の学科試験の勉強と、デッサンの練習にますます励むようになった。学校生活と部活動に加えてこれらをこなすと忙しかった。
ただ、恵美は違っていた。恵美も、美大の受験をするものだとばかり思っていたが、違うとのことだった。
三年生になったばかりの四月に、恵美が入院をすることになり、一週間ほど学校を休んだ。何か重大な病気かもしれないと郁雄は心配したが、恵美は「検査するだけだよ」と言うだけだった。心配かけまいとしているのが郁雄にはわかった。
(続く)
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