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………エドガーは、普段はジャンク屋として生計を立てている。
昔の戦場に散らばる兵器や機械のパーツを盗掘し、それを売ってお金にしているのだ。
暴力のまかり通るこの世の中だ、使える兵器のパーツは特に売れる。
そんなエドガーがオデッサにいるのは、単にいつものジャンク屋の仕事をしに来ている訳ではない。
………遡る事、今日の昼間。
ホバートラックの部品を売って得た金で、エドガーはレストランに入った。
いい値段で売れたので、何時もより少しばかり豪華な昼食を取ろうと考えたのだ。
食事を終えて、レストランを立ち去ろうとしたその時、エドガーは黒服の男達に呼び止められた。
聞けば、男達はエドガーに仕事の以来をしたいという。
数日前に、自分達のコロニーに移送中に、誤ってオデッサに落下してしまったコンテナ。
あれの中身を破壊してほしいとの事。
おそらく、軍か何かの組織と関係している事と、彼等が怪しいという事は、エドガーにも解った。
だが、対価として見せられたアタッシュケースに詰まった大金と、自分達が関わるのはこれっきりという事から、エドガーは依頼を受ける事にした。
ようは、彼等に手渡された爆弾を内部にセットして、帰って来ればいいのだ。
簡単な仕事である。
それに、収入の安定しないジャンク屋にとって、しばらく安定した生活が送れるだけの大金が得られると思うと、引き受けない手はない。
………まあ、彼等が怪しいという事には変わらないので、用心はしなければならないが。
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