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電脳闘神ガイッドマンの墓碑銘
僕はスマホでガイッドマンの最終話が載る動画サイトにアクセスする。
さらに僕は、スマホの画面を液晶テレビに映せるようにしていたからその操作も完了させ、自室の32V型液晶テレビに動画を映して大画面の臨場感を味わえるようにした。
番組が始まった。
街が怪獣達に破壊される現実世界。
前回の敗北で傷付いている夢人とガイッドマンは、強いシャアルシファーに逆らっても無駄だと批判する猛司に対して、人々を守るためにあくまで怪獣達との戦いに挑む。
勝頼と康子もコミットアームズを操作してガイッドマンを援護し、怪獣達を一匹残らず倒す。
残るは覇王シャアルシファー、ただ一人。しかし怪獣達との戦いでエネルギーを使い果たしたガイッドマン達は苦戦を強いられる。
シャアルシファーに倒される寸前まで追い詰められるガイッドマン達であったが、改心した猛司がデスッドマンに変身してガイッドマンと共闘し、シャアルシファーと最後の死闘を繰り広げる。
デスッドマンはシャアルシファーの攻撃を受けて致命傷を負うが、羽交い締めにしてシャアルシファーの動きを封じる。
「ガイッドマン! 僕と一緒にシャアルシファーを撃て!」
「デスッドマン!」
「猛司君!」
「猛司! 貴様、私を道連れにしようと言うのか!?」
「僕は覇王シャアルシファー様に出会えなかったら、いじめを苦にしてきっと自殺していた。シャアルシファー様と組んで、多くの人達の命を危険に曝して迷惑を掛けた。所詮、自己犠牲ぐらいでしか罪滅しが出来ない、バカな悪役として死なせてくれ!」
「猛司!」
「猛司君!」
意を決して、ガイッドマンが頭を上げる。
「……分かった」
「ガイッドマン、やめろ!」
「ガイッドマン、やめて!!」
絶叫して制止する夢人達を無視して、ガイッドマンはポーズを取る。
「必殺! ガイッドバスター!」
ガイッドマンの腕から発射される必殺光線。
「ぐおぉぁあああああああああああああああ!」
「うわぁぁぁああああああああああああああ!」
凄まじい爆発を起こして消滅する覇王シャアルシファーとデスッドマン。
平和が戻った街。
ガイッドマンと分離した夢人、勝頼と康子は釈然としない表情。
身長50mのガイッドマンは3人を見下ろしながら礼を言う。
「今までありがとう、夢人、勝頼、康子」
「どうして猛司君を死なせたんだ!」
「他に方法は無かったのかよ!」
「そうよ! 猛司君が可哀想!」
ガイッドマンは淡々と話す。
「私は覇王シャアルシファーを倒しにやってきた。猛司君の命を守るのは私の使命ではない」
「何だって!?」
「猛司君だって納得していたじゃないか」
「だけど……!」
「猛司を死なせた責任はあくまで私にある。君達は何も気にする必要は無い」
「ガイッドマン!」
「じゃあ、次の任務があるから……お元気で」
ガイッドマンは超電脳生命体の姿に戻ると、宇宙に飛び去って行った。
夢人、勝頼、康子、三人が微妙な表情で向き合って、番組は終わる。
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