2 淫紋を持つ者

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俺が少しだけ、興味を持って、凪のことを見上げていると、凪は、俺に言った。 「立って、とにかく、椅子に座ってくれ。そうしていられると私が落ち着かない」 「ああ」 俺は、立ち上がると、その男の前に置かれた椅子に腰かけた。 この部屋は、1階の部屋持ちでないガキどもの使う客用の部屋だった。 凪は、俺が椅子に座るのを確かめると、話始めた。 「今日、君に依頼したいのは、その、冒険者ギルドのための新しい象徴のようなものを考えて欲しいと思ってね」 つまり、凪おじさんのいいたいことは、こうだった。 最近、人気の廃れてきた冒険者ギルドのために、なんか、人々の話題を集めるようなものを考えて欲しい。 うん。 要するに、イメージキャラ的なものとかかな。 しかし、俺は、インクとペンと紙(書類の裏)しか持っていない。 それを伝えると、凪は、言った。 「必要なものは、こちらで揃える」 というわけで、俺は、何色かの絵の具と、筆と、用紙を所望し、その依頼を引き受けることにした。 それを知った、樹理は、後で、ぶつぶつ、文句をこぼしていた。 「まずは、あたしに話を通すべきでしょう?一応、あなたのご主人様なんだから」
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