1 異世界に連れてこられたんだが、なぜか、奴隷スタートだった件

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だが。 こんな美女に買われちゃうなんて、なんか、異世界の奴隷生活も悪くないのかも、とか一瞬でも思った俺は、本当に愚かだった。 俺は、騙されていた。 俺が連れていかれたのは、男娼の館『黒薔薇館』だった。 何? 男娼館って。 店の前で立ち尽くす俺を見て、その美女は微笑んだ。 「さあ、いらっしゃいな。店の子達に紹介するから」 俺は、店の2階の部屋持ちの連中のところへ連れていかれた。そこには、俺の半分ぐらいの年齢のガキどもがいた。 まず、樹理とかいう女主人は、俺をカイとかいうくそ生意気なガキのところへ連れていった。 「カイ、うちのNo.1のカイ・ローリングよ。カイ、この子は・・えっと、あなた、名前は、なんか、あるのかしら?」 「雨夜、です」 俺が答えると、この女主人は、にっこり笑って、カイに言った。 「アマヤだそうよ。あなたの従者として買ってきたんだから、可愛がってあげてね」 「従者?」 カイというその可愛いげの欠片もないガキは、さらさらのハチミツ色の髪をかきあげながら、俺に近づいてくると、俺の顔を覗き込んできた。 丸い、ビー玉みたいな瞳。 そして、ガキは、言い放った。 「こんな、がらの悪そうなおっさん、いらないよ、樹理」
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