289人が本棚に入れています
本棚に追加
/354ページ
がらの悪そうな、おっさん?
俺は、ガキのその言葉にいたく傷ついた。
こんな、服もまともに身に付けられないような頭の悪そうなガキに、そんなこと言われる筋合いはねぇ。
確かに、俺は、生徒たちからも目付きが怖いとか言われていたが、仕方がないだろうが。この三白眼は、ばあちゃんの形見だ。
「でも、あなた、黒い髪の若い、体の丈夫な男がいいって言ってたじゃないの」
「それは」
カイは、うんざりした様子で言った。
「俺が忙しいときに、ちょっと客の相手をしてくれるような可愛い男って意味でしょ。こんな、でかくって可愛くないおっさんなんて、客が萎えちゃうよ」
なんですと?
客の相手、ですと?
無理無理無理。
俺は、ガキの言うことに全面的に賛成だった。
そんな前哨戦のお相手を勤めるなんて、俺には、無理だ。このガキの言う通り、俺は、使い物にならん。ぜひ、返品してくれ。
だが、女主人は、負けなかった。
「こんな子の方が、あなたの客に手を出さなくっていいでしょ?うまく使ってやりなさいよ。カイ」
「ちっ」
カイは、舌打ちした。
「仕方ないな。使ってやるよ。アマヤ、だっけ?せいぜい、俺に感謝して、粉骨砕身働けよ」
最初のコメントを投稿しよう!