告白はいつも突然

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告白はいつも突然

一週間経ち、南出が朝の社交場に顔を出した 「聞いたわよ。南出さん、インフルエンザだったんだって?」 「知ってたら手伝いに行ったのに」 寒空の下に賑やかさが戻ってきた 近所のママさん方の、内容とテンションが合っていない話し声が聞こえてくる (はいはい、俺じゃ役不足っと) 「おい、行くぞ」 北野は英の手を引いたが、なかなか動こうとしない 峰希が人の輪から出てくるのを待っているのだ 北野家に泊まってから、英と峰希はより親密さを増したようだ 幼馴染みとはいいものだ 北野にも幼馴染みがいるのでわかる 人生の各ステージを通して、数えきれない人間関係を築いてきたが、いまだに根強く続いてるのは幼馴染みだけと言ってもいい 南出親子は集まってきた近所の人たちとそつなく挨拶を交わしながら、北野と英に近寄ってきた 「北野さん。この度はお世話になりました。本当に助かりました」 南出が丁寧に頭を下げた こういうところは好感がもてるのだが… 「いや。初日だけだしね」 こんなに丁寧に言われると、北野も照れる 気になってはいたものの、結局初日以降は何の接触もしなかったのは少し冷たかったかかもしれないが、さすがに踏み込みすぎはよくないというのは北野にもわかった それと… (いおり) なぜか頭のなかに何度もあのシーンが浮かぶ
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