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「きっと疲れてるんだよ。たまにはお義母さんにでも預けて、友達と遊んできなよ」
平静を装って、ぐいっとビールを一口飲んだ。
由紀は目を合わせない。
静かに俯いたままだ。
膝の上で組み合わされている手が、力を帯びているように見える。
まさか、由紀は気づいてしまったのだろうか。
由紀のことだ。
直接問いただすことができずに、こんなオカルトめいた話で司にカマをかけているのではあるまいか。
確かにあの子が生まれていれば、衿人と同い年のはずだ。
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