影 ふたつ

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 どちらにしても、めんどうなのは確かだ。 「なあ、そんなに気にするなよ。心配だったら、お祓いでもいくか? ははっ」  由紀は顔をあげない。  司はずっと考えないようにしていたやましい過去を妻の前で思い出してしまい、いたたまれなくなって席をたち、風呂に逃げた。  ビールだけ半分ほど飲んで、由紀の用意した食事にはほとんど手をつけなかった。  
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