影 ふたつ
1/6
読書設定
目次
前ページへ
次ページへ
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/
6ページ
「
衿人
(
えりと
)
の影が、ふたつに見えるの」 私、どこかおかしいのかしら、と由紀は俯いた。 鉛のようなくちぶりだ。
司
(
つかさ
)
は缶ビールのプルタブに指を引っ掛けたまま、妻を見るしかなかった。 衿人は二歳になったばかりの二人の子で、由紀は育休中の専業主婦だ。 衿人は隣の部屋の布団で眠っている。開け放たれたふすまから、その穏やかな寝顔が見え、小さな寝息が夫婦の沈黙の間で音を立てていた。
/
6ページ
最初のコメントを投稿しよう!
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>
前ページへ
次ページへ
本棚追加
6
スターで応援
326
スターを送って 応援しよう!
小さく
文字
15
大きく
狭く
行間
1.8
広く
白
黒
クリーム
ゴシック体
明朝体
まとめてページ表示
指定なし
5ページ表示
10ページ表示
15ページ表示
ページコメント表示
ページスタンプ表示
最後に読んだページを自動で保存
最初のコメントを投稿しよう!