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噂ばなし(くたびれオヤジ受け+モブ男)
バツ1イケメン同級生×くたびれイケオジ +モブ
同窓会 老いらくの恋的な……
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※ コミュ『BLシェアハウス』の新春企画を兼ねています。
コミュ企画ページ
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一般企画ページ
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専用ブック
https://estar.jp/novels/25752949
1テーマ : 同窓会
2見どころ : 焼けぼっくいに火
3ポイント : 老いらく一歩手前の恋 ここでも"おっさんずラブ"(←おっさんヅラ部じゃないよ(笑))
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先ほどから同僚の草間がチラチラとこちらに視線を寄越してくる。何か言いたげだ。
しかも、顔にはニヤニヤと嫌な笑みを張り付かせている。
田所浩一はそれに耐えかねて、げんなりと口を開く。
「あぁ、草間、何だ? 俺の顔に何かくっついているのか?」
「いやね、最近の田所さんは頬こけて、やけにげっそりとしてるなと思って」
草間は益々と下世話な表情になった。
「お前な、げっそりしてるのは俺にとっちゃ通常運行だっつーの! だけど、まぁ、正月明け早々くたびれていて悪かったな」
「確かにげっそりしてるのはいつものことですけど、ここのところのげっそりはそういんじゃなくて 、ほらほら…………」
ニヤニヤしつくさって、やはりやぶ蛇だったか。つつかなくてよいことを自ら掘り返してしまった。ろくでもない。
草間は仕事も私生活もどうってことない平凡な男で、とかく噂話や上司の悪口、下ネタ混じりの恋バナなどに目がない。
そういったことに関心のない浩一にも何かと無駄話ばかりしてくるから、草間がこの部署に来てからというもの、知りたくもない社内のドロドロとしたゴシップ情報に事欠かない。
そういう草間は日々合コンに励んでいるものの、これといった浮いた話は未だに聞かない。
そんなことから、俺は密かに親しみを込めて草間を”モブ男”と呼んでいる。
「いやね、田所さんはくたびれていても案外顔は整っていますからね。最近……、そうだな、クリスマスかな? 正月かな? に出会いがあって、新しい彼女でもできたんじゃないかなって。違います?」
「……あぁ?」
「だから、新年早々その彼女と営みが忙しいのかなと思って」
どういう探りだ。こんなことだけには敏い。
その能力をもうちょっと仕事で活かせれば、草間もこんな廃棄部署でウダウダやっていなくとも済むのに。
確かに浩一は年明け早々にあった同窓会で、昔のクラスメイトの窪寺と再会し、良い頃加減に酒が入ったのも手伝って間違いが起きた。
それがウンノツキとなって、目下焼けぼっくいに火状態のアツアツ恋人持ち生活を送っている。
ただ相手は一バツ美男で、俺みたいなしょぼくれ男相手とどこをどう間違えたらそうなるのか未だに分からない。
それなのに顔を突合せば若い恋人同士みたいにチュッチュ、チュッチュと激しいスキンシップを繰り返すのだから、我ながら己の醜態の数々が信じられない。
しかも、この俺が何故か尻を差し出しているのだ。お世辞にも俺は華奢でも若くも綺麗でもないというのに。
(窪寺も相当マニアックだよな……)
昨晩も週の初めだから体力が持たないと逢瀬を断ったというのに、「一目だけでも良いから会いたい」と熱心に説き伏せられ、家に引き入れたのが関の山。
あれよあれよとおかしな雰囲気になって、世のDKにも負けない欲望まっしぐらの営みをしてしまった。
今も座っているのに腰のあたりが重くて仕方がない。
「全くもって、お前の思い過ごしだ。甲斐性のない俺に、そんな気得な女がこの世にいるわけないだろう?」
「そうっスか? 俺、結構な確信を持って言ったんですけど」
「おおおお、思い過ごしだ」
「そうっスかね~~?」
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