君とてのひら

19/221
前へ
/221ページ
次へ
コテージまでは10分ほどの道のりだという。バイクの後ろの席に並んで座ると、改めてリーフレットを開いて膝の上に広げた。 「マジで島一個まるまるフェスタ会場なんだ」 冗談だと思っていたら、島の全景のイラスト共に、各エリアの情報が記載されていた。 船着場のすぐ横にメイン会場入り口及び本部。入り口を通過しないと島の中にも入れない仕様になっていた。で、その入り口を通過するとすぐ目の前にロータリーがあって、そのロータリーから今三輪バイクに乗ったという感じ。ロータリーの向こう側がメイン会場。芝生が広がっている。 「その中に何カ所もイベント会場とかフードコーナーとかがあるわけだ、マジで音楽フェスみたいだな」 「音楽フェスに行ったことがないからわからないが、そうなのか?」 「俺も一回しか行ったことないけど、そんな感じだったぞ」 メイン会場に入ってしまえば島中の散策は自由で、そのための自転車の貸し出しなどもあるらしい。入り口右手のずっと奥にはホテルやキャンプエリアがある。さらに向こう側には商店、診療所、床屋など、ちょっとした街の機能もあるようだ。 そして俺たちが今向かってるコテージが、入り口から向かって左手にある一番遠いコテージエリア。小さい字で、専用チケットがない方は入場出来ません、とか書いてある。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

339人が本棚に入れています
本棚に追加