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温泉があるということを伝えると、彼のテンションは俄然上がった。
「足だけでも楽しめるなら最高だな! 本当に文句のつけようがない、楽しむしかないな!」
「そんなに温泉好きになるとは思わなかったな」
まあせっかくだし、島の温泉巡りも悪くないだろう。
噴水を通り過ぎると、ほどなくして緩やかな山道に入った。葉っぱの生い茂る木々、鳥の高い声。すぐに、北欧の田舎を彷彿とさせる、鋭い三角屋根のログハウス群が現れた。道沿いに両脇に、不規則に建てられている。
「これがコテージのようだな」
顎を撫でながら彼が言う。満足そうに軽く頷いている。
「この並びの一番奥ってことか」
「そのようだな、愛らしい建物じゃないか」
「立派じゃん、普通の一軒家だよこれ」
緑色の外壁に赤いドア、窓はすっかり田の形をしている。コテージのデザインがすべて統一されているのも可愛らしい。
「このコテージは、通り沿いはデザインが一緒なんですけど、それぞれの建物で特色があるんですよ。あるところはテラスがついてますし、あるところは一気に10名止まれるような大きな部屋もありますし」
会話を知ってか知らずか、運転手がまた軽快な調子で言う。
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