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「へー、そういうのも売りなわけですか」
「そうみたいですね、リゾート開発している島だから、やっぱその辺はいろいろ工夫しているみたいで」
そのようで。彼の経営者としての目が光ったのも肯ける。三輪バイクに乗ってぴったり15分後だった。けたたましい音をたて続けたバイクが停まった。
「お宿こちらになってます!」
本当にもうこれ以上先がないという、道の行き止まりにそのコテージは建っていた。外観は他のコテージと変わりない。
「ここのコテージは、浴槽の他にシャワールームと、暖炉があります。ゆっくりおくつろぎください!」
本当にざっくりと説明しながら、運転手は手際よく玄関前に俺たちの荷物を置いていく。
「鍵はこちらです」
渡されたのはおしりが楕円形に加工された、映画や漫画に出てきそうな鍵らしい形をした鍵だった。少し太めでシンプルな形の金色をしているのが余計それっぽい。
「え、めっちゃ鍵だ」
「そうです鍵です! でもただの鍵じゃないんですよ、鍵穴に差し込むと、鍵の先端に入っているICチップが自動的にコテージ全体のセキュリティをセットしたり解除したりしてくれるんですって」
「へー」
別にカードキーとか生体認証とかでもよかったんじゃないかと言いかけてやめた。
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