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オレの肩におでこをくっつけて。――悠馬が泣いてる。オレが悠馬を泣かせる日が来るとは。
震える肩を抱いて、ぽんぽんと優しくたたく。
涙声で、悠馬が小さく、ありがとって呟いた。
悠馬が腕枕してくれて、二人で裸のまま毛布に潜り込む。
「……狭いな」
悠馬がボソッというので、
「仕方ないだろ」
と答える。シングルベッドに180越えの男二人は絶対窮屈だ。脚だってはみ出るし。
「大きくなったな~」
なんて、親戚のおじさんみたいなこと言って悠馬が頭を撫でてくる。自分だって。
「昔、ガキの頃、よくこうやって一緒に寝てたよな」
「……うん」
腕枕じゃないほうの手で、オレの手を握ってくる。指が絡まる。
「……結局、泣かせちゃったな」
目尻に残っていた涙の後をちゅ、と吸われる。
なんか一線越えちゃったって、思い出したらものすごく恥ずかしくなってきた。
「……悠馬があんなにやらしいなんて知らなかった」
と怒ったように言ってみたけど、
「でも好きなんだろ。俺のこと」
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