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1.
体育館の高い天井に響く声。
シューズが床を擦る音。
ボールが跳ねてゴールに当たる音。
目を閉じて、しばしそれらの音に耳を澄ます。
――オレはこの空間が大好きだ。
「――啓太」
悠馬がぽん、と肩をたたいてくる。目を開ける。
「次、俺らの番」
「うん」
悠馬、同級生の佐竹と共にコートへと駆け出す。
3対3で10分間。ボールを落としたらペナルティで腕立て伏せだ。
「っかれっしたー!」
挨拶を終え、喉を潤すべく水筒を逆さにすると、すでに空だった。ので、隣で汗を拭いている悠馬の手から水筒をもぎ取る。
「おいっ」
「いーじゃんちょっとぐらい」
悠馬の水筒に口をつけて中身を呷る。悠馬は思いっきり顔をしかめて、
「返せ」
とオレからそれを奪い取った。
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