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 悠馬の顔をそっと窺う。ん? と笑いかけてくる。……上手いよな。オレの扱いが。ズバッとホントのこと言って落ち込ませるけど、すぐ持ち上げてくれる。って分かっててもそれに乗せられるオレもオレだけど。現金だな、オレって。そんなわけで浮かれたオレはハンバーガーにかぶりついた。 「……あれから、菜摘さんに謝ったか?」  悠馬がコーラを啜りながら訊いて来た。 「ん。……めっちゃ怒られた」  オレはそのときのことを思い出して、ポテトをつまもうとした手を止めた。    発端は、夏の終わりにあったオレらの試合会場だった。  姉ちゃんはそこで高校時代から片想いしてた尾形という奴と再会した。  バスケ部のマネージャーと、キャプテン。  多分、姉ちゃんの中ではずっと燻ってて……。でも実らせるつもりのなかった恋。    姉ちゃんが苦しんでるのを見たくなくて、オレは尾形にどうしてもひとこと言ってやりたくなった。そんで尾形に会いに行って――。みなまで言う前に、悠馬が止めてくれてよかったと今は思ってるけど。  
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