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しばらくすると友美がふと思い出したように辺りを見回して尋ねる
「そう言えばここって何処なんでしょう?鈴鹿さんってどうやってここに来たんです?」
鈴鹿は今更と思いながらも口には出さず説明した
「ここは友美さんの深い意識の奥、目が覚めないのはここで貴方が目覚める事を拒否しているからなの」
話しが元に戻りまた暗い表情になる友美
鈴鹿は少し話すかどうかを迷っていたが意を決して話し出した
「私が代々権力者と対抗する一族の者って言ったわね、更にその前の先祖は鬼なの、私は鬼の血を引く直系の子孫、ここにはその力で来ているの」
「お・・・に?」
一瞬冗談かと思ったが鈴鹿の真剣な横顔からは冗談と取る事は出来なかった
「遥か昔、時の権力者達は自身の都合だけで下の人間を傷つけ弄んだ、遊びと称して人を水に落とし、服に火を付けて苦しむ様子を楽しむなんていうのは日常茶飯事、時には疫病を収める為に、普通の人を病の象徴である鬼と称し石を投げ、棒で殴り、皆で追込みそうして多くの人が犠牲になっていたの」
「酷い・・・」
「その虐げらた人の怨みや怒り、悲しみが膨らんでやがて本当の鬼と変貌、その力で抵抗と迫害を繰り返してきた、それが私の先祖、貴方に取っては恐怖の対象でしかないわ」
「で、でも鬼って言っても何も変わらないですよね?」
じっと鈴鹿の方を見ながら話す
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