本能の決断

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ただいまの時間、夜中の12時をまわったところだ 今日は会社の同僚と飲みの後、カラオケで盛り上がり電車で帰ってきた最寄りの駅前 カラオケでひたすら歌って気分よくなり、お酒も入って少しフラつきながら歩いている 家までは徒歩で13分なので1人でも充分帰れる距離だ 駅前の広場には人もまばらで、電灯のない場所は薄暗くてよく見えない 未唯奈「ん?」 電灯の明かりの下の花壇に、人が座っているのがわかった こんな時間にそんな人に関わってはいけないと自己防衛心が働く なるべく近づかないように通り過ぎよう 前を見ながらよそ見をしないように歩き出す もし変な人で話しかけられたりしたら面倒だ その時、下を向いていたその人が顔を上げた 反射的に動いたものに目線をやってしまい、座っている人を見てしまったのだ 未唯奈「えっ?やばっ」 思わず声を出してしまって、慌てて口を押さえる ヤバイやつだと思っていたその人が、めちゃめちゃタイプのイケメンだったからだ 歩こうとしているのに、まったく動かない私の言うことをきかない足 彼は見れば見るほど好みの顔だった
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