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翌日
僕は、ある大学のキャンパスを訪れていた。
理由はただ一つ、想いをお届けする。それだけだ。
僕は、ヒロエさんに言われた通りに昼休みの食堂で待ち伏せすることにした。
前日、ヒロエの部屋にて
「彼はカレーうどんが大好きなのよ」
そして今この言葉をもとに、カレーうどんが売られている大学の食堂で待ち伏せしている。
「あのぉ、そこ俺の席なんだけど」
と、ぶっきらぼうな口調で言うのが、おそらく彼だ。
「あぁ悪いね。僕は小口 章平。しがない配達人さ。」
「配達人がなんでうちの大学来てんだよ!」
「ちょっと君に用事があってね。たけしくん。」
「な、なぜ知ってる!」
その理由は、昨日に遡る。
前日、ヒロエの部屋にて
「私、昔好きだった人がいたの」
「でも彼はまだ高校生だった……」
「その彼の名前は?」
僕が彼の名前を聞くと、少し申し訳なさそうな顔をしながらも、教えてくれた。
「…たけしくんよ」
そして今、僕はそのたけしくんと少し強引だが、二人で話をしている。
「で、あんたはヒロエさんになにを配達したんだ?」
僕は、ここまでに至った経緯をたけしくんに教えることにした。
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