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前日、ヒロエの部屋にて
ヒロエさんは涙を拭うと、たけしくんとの出会いを語り始めた。
「彼との出会いは、彼の入学式の時だった。」
「当時三年生だった私は、部活の練習で学校に来てて、その時一人遅刻してきたのが、彼だったの」
僕は頷き、そのまま続きを聞いた。
「結局、その日は喋らなかったけど、後日廊下ですれ違った時に、彼が突然振り返って……」
「告白したの」
僕は頷きかけたが、さすがに唐突すぎる告白に声を上げた。
「えぇ!?」
ヒロエさんはそのまま続けた。
「入学式の日!あの時見た時からずっと好きでした!ってね」
「私もびっくりしたけど、彼顔も良かったから付き合ってみることにしたの」
結局顔かよ!って内心思ったが、声には出さず、僕は頷いた。
「それから何度かデートを重ねて、晴れてバレンタインの日、チョコレートを交わし、正式にカップルになるはずだった……」
そして今、たけしくんはそれを聞いて思い出したのか、泣き出した。
「ごめん……俺のせいで……」
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