第一章 その想い、お届けします。

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   前日、ヒロエの部屋にて ヒロエさんは涙を拭うと、たけしくんとの出会いを語り始めた。 「彼との出会いは、彼の入学式の時だった。」 「当時三年生だった私は、部活の練習で学校に来てて、その時一人遅刻してきたのが、彼だったの」 僕は頷き、そのまま続きを聞いた。 「結局、その日は喋らなかったけど、後日廊下ですれ違った時に、彼が突然振り返って……」 「告白したの」 僕は頷きかけたが、さすがに唐突すぎる告白に声を上げた。 「えぇ!?」 ヒロエさんはそのまま続けた。 「入学式の日!あの時見た時からずっと好きでした!ってね」 「私もびっくりしたけど、彼顔も良かったから付き合ってみることにしたの」 結局顔かよ!って内心思ったが、声には出さず、僕は頷いた。 「それから何度かデートを重ねて、晴れてバレンタインの日、チョコレートを交わし、正式にカップルになるはずだった……」 そして今、たけしくんはそれを聞いて思い出したのか、泣き出した。 「ごめん……俺のせいで……」
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