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言いながらグッとフォークをにぎり直し、焼き飯に乗ったプリプリの身を慎重に突き刺す。
「……ですよね?」
かなりの気迫で尋ねられ、彼らの父である主はこう答えた。
「うむ。
非常に美味く造ったので、ぜひ味わってみてくれ」
料理人か、と心のなかでセルフツッコミを入れる創造主ラルファーダ。
元の世界のいわばエビ・オリジンを造った正真正銘の創造主が本当にいるとしたら、エビをうまいうまいと貪り食うヒトを見てどう思うのだろうと不思議な気持ちになる。
今のラルファーダ同様「だろー? 味と食感に徹底的にこだわった力作だぜー!」みたいな心境か。
もしくは「待て待て待て、そんなバクバク食うなよ! せっかく硬い殻つけて捕食されにくくしたのに、ふざけんな!」なんて感じるのか。
一方セインはというと。
フォークに刺したエビと真剣に向き合っていた。
もう後には引けない……そんな覚悟が見てとれる。
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