6週

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八幡は先に真菜加を部屋に連れていき、みんなには嘘をついて戻った、ということも充分あり得る というかそれが一番自然なように思う 李にお礼を言って部屋を出ようとした時、開発部の部長に呼び止められ、経営企画部の上司にシステム開発案を渡してくれと頼まれた 仕方なく部署に帰ると、自分のデスクに仕事が置かれていて、結局その日は八幡のところには行けなかった ※※※※※※※※※※※ 早々に保険証を返しにいかなければならない 月初に周期が終わったと言っていたから、今月は保険証を使う頻度は少ないだろう そのためには1日有給を使って休まなければならない 一度受診すれば、今月いっぱいは保険証を見せなくて済む その間に母子手帳をもらい、美央に打ち明ける ギリギリかもしれない しかし、もう一度保険証を盗むリスクは避けたい 午前中、真菜加は美央の最寄り駅近くの産婦人科を訪れた ネットで評判の、そこそこ患者数がいるような、中規模の産婦人科だ 朝一で訪れたが、一時間近く待ってやっと呼ばれた 事前に尿を提出していたため、結果はすぐに告げられた 「陽性反応出ましたので、エコーで診てみましょうね」 カーテンが引かれた内診室に通され、下着を脱いで椅子に座るように指示された 言われた通りにすると、看護師が下半身にブランケットをかけて椅子を回転させた カーテンの向こうに下半身だけが出る構造だ カーテンの向こうで金属音がした 医師が「それでは診てみますね~力抜いてください。冷たいですよ~」と声をかけた 膣の中に、エコーが入っていくのがわかった すると椅子に取り付けらたモニターに砂嵐のような映像が映し出され、その真ん中にぽっかりと黒い丸が見えてきた さらにその中に、グレーの空豆のようなものがあった 「胎芽確認できましたね。7週だと思います。来週には心音が確認できると思うのでまたいらしてください」 真菜加はプリントアウトしてもらった胎児の写真を受け取った
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