【3・再び、男】

3/4
前へ
/14ページ
次へ
「なるほど…。そんなご事情が有ったのですね! いやぁ、貴女のそのお気持ち!俺も物凄く分かりますよ!」 俺は、彼女の話に思わず共感の声を上げてしまった! 「実は、ですねぇ。 この俺も仕事が上手く行かなくて酷く落ち込んでたんですよ!って言いますか、俺はその上、失業しちゃいましたけどねぇ! あ、実はつい昨日、恋人にもフラれちゃいました!もう踏んだり蹴ったりの人生です!アハハ!」 俺は、夢中になって喋りまくった! 「それに、俺も貴女の考えに全く持って同感ですよ! 仕事って、頑張れば男も女も関係無く平等に評価されるべきだと思いますよ! ええ!そうですとも!そうでなくちゃイケませんよね!」 「まあ!」 と、俺のその言葉を聞いた彼女の顔がパッと明るくなった! 「私の気持ちを分かってもらえるなんて…本当に嬉しいです! 実は…私も先日、恋人にフラれちゃったんですよ。『女性は、家庭に収まるのが一番た』とか言われちゃいまして」 「ええっ?それは酷い言い草だなぁ!」 「そうですよね!やっぱり、そう思いますよね!」 「勿論ですとも!それじゃあ、お互い独り身の俺達は似た者同士って事ですね!」 「そうなりますね!」 それから… 俺達は、夜空を眺めながら… いろいろとお喋りをした。 やがて… 「あ、もうこんな時間!ホテルに戻らなきゃ!」 不意に腕時計を見た彼女が声を上げた。 そして、 「今夜は、お話を聞いてくれて本当にありがとうございます!お陰で少し気が晴れました!それと、本当に楽しかったです!」 と、ペコリと頭を下げたのである。 ホテルは、このすぐ近くだと言うので、俺と彼女はその場で別れた。 そして別れ際、俺は… 「あの…もしよろしければ、明日もここでお会いしませんか?」 思わず、言ってしまった。 彼女は一瞬、驚いた様子だったが… 「はい!是非とも! じゃあ、明日もこの場所、この時間にお会いしましょう!」 と、少し顔を赤らめながら約束してくれたではないか! 彼女と別れて… 帰宅した俺は… まさに有頂天だった! 「ああ、俺の人生…まだまだこんなドラマチックな展開が待っていただなんて! 本当、まるで小説か映画の様な展開じゃないか!アハッ!」 俺は、ニヤニヤした。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加