15人が本棚に入れています
本棚に追加
実は…
最近になって俺は、こうも考える事が有る…。
「もしも…今の状況より、ずっとずっと不幸な展開を…ずっとずっとドラマチックな展開を体験する事ができたとしたら…
そしたら俺は、もっともっと全身が痺れる様な『激しい感動』を味わう事ができるんじゃないだろうか…。
それはそれで、悪くはないんじゃないか?」と…。
「って、何だ?そりゃ!」
と、俺は即座にその考えが頭に浮かぶ度に打ち消す。
確かに…俺は、自分の不幸な境遇に感動はするが…
だからと言って、別に自ら進んで不幸を呼び寄せるツモリは無論、毛頭無い。
でも…
もしも、もしも、そんな体験が…全身が痺れる様な激しい感動を味わう事ができるのであれば…
どうせなら、
『究極のドラマチックな展開』…
ってヤツを体験してみるのは、どうだろうか。
でも…
そもそも、『究極のドラマチックな展開』って…
一体…
何だろう……。
「ウゥ…」
俺は…夜の浜辺で妖艶な満月を眺めながら、自分の不幸な境遇に更に感動の涙を流し続けた。
その一方で…
俺は、昔から満月を見ると…
何と言うか、体中の血液がグツグツと沸き立つ様な…『正体不明の妙な感覚』に襲われる事が時々、有る…。
「ウゥ…」
最初のコメントを投稿しよう!